SNS映えの心理学
なぜ、このような記事を書こうと思ったのか。
それは全くもってきまぐれで、何となくバズりそうとか、何となく面白くなりそうとかそんなあやふやな気持ちでしかない。
こんなハードルを上げるようなタイトルにしたにも関わらず、滑る程度のネタしか用意できていないかもしれない。だけど…
今回もブレブレで書いていきます。
「映える」とは
SNS映え
某有名写真投稿アプリに代表されるように、自らの撮影した写真をアップし、フォロワーに発信するという行為は、若者を中心に広く普及した現象となっています。
ちなみに私もやっています。
そしてその写真は、できるだけ「映える」ものであれば評価が高くなります。
ところでこの「映える」ですが、辞書の定義(Weblio)によれば
①明るい光に照らされて輝く。あざやかに見える。
②周囲のものとの対比によって一段と美しさが目立つ。引き立って見える。
だそうです。
だったら、写真のコントラスト上げれば何でもあざやかになるし映えるんじゃないでしょうか。
それにも関わらず、投稿する人々はわざわざ対象を撮影することに飽き足らず、
投稿するという手間をかけようという気になる、その心理は何なのでしょうか。
別な言い方をすると、その背景にはどのような心理学的行動原理が潜んでいるのでしょうか。
私はこの問題を明確化するために、まず「SNSに写真を投稿する」という行為を細分化しました。
- なるべく綺麗に見えるよう写真を撮影する
- その写真を加工し、さらに見栄えをよくする
- 写真をSNSに投稿する
- 「👍」をもらう
- からのプロセスを繰り返す
昔から変わらない写真撮影
1. については、10年以上前から行われてきました。
しかしそれは、あくまで思い出として残すための「記録」であり、その目的は異なるところにありました。
その延長線上で、スマホにはアルバム機能があり、さらに最近はクラウドなるものに、ほぼ無限に記憶させておくことができます。
話と関係ありませんが、AmazonのPrime Photosは写真なら本当に容量無制限です。
つまり、以前は「記録」したいという思いが強い人でなければ実行できなかったことが、誰でも実行できるようになったわけです。
心理的ハードルが下がった、ということでしょうか。
心理学っぽい用語かと思ったら、全然心理学じゃない用語でまとまりました。
あえて心理学っぽく言えば、動作負荷が軽減されたということになるでしょう。
写真を加工する心理
2. についてです。
3. と重複することが多いですが、②独特のことといえば、「きれいにしたい」欲求とでもいうのでしょうか。
なるべく物を綺麗にしたいとか、美しくしたいみたいな欲求でしょうか。
これは投稿するしないに関わらず、存在していると思います。
心理学的に言えば、完璧主義に近いでしょう。
写真をSNSに投稿する
ここからが問題です。
これは色んな人が書いているし、よく言われることですが、承認欲求が関わっています。
誰か(主に友人)が見られるようにシェアし、オープンソース化するというのは、承認欲求という「報酬」をもらえるからです。
基本的に心理学では、報酬がもらえることを人間は続けようとします。
さらにいえば、自分がやっていることを他人とも共有したいという気持ちは、同調圧力といえます。
同調圧力というと、他人と同じことをするという、一見オリジナリティを目指す方向とは反対の心理です。
しかし、他人に対して自分も「流行を追っていること」をアピールすることになっているため、
それは、一種社会に対する同調圧力ともいえるでしょう。
👍をもらう。さらにそれを繰り返す。
4. は基本的に3. と同じですが、
「👍」がもらえることは、承認欲求をさらに引き立てることに繋がるでしょう。
そして5. のように、同じことを繰り返すことは心理学的に言うと強化学習です。
一度承認欲求という「報酬」をもらってしまった人は、SNS投稿のプロセスが「条件付け」され、
このループに入ってしまったといえるでしょう。
まとめ
長々書きましたが、結局根底にあるのは承認欲求です。
さらに、誰かの投稿に「👍」をあげるという気持ちは、簡単に相手に対して報酬を与えることができるため、
簡単に他者との信和感を上げることができます。
これを心理学的に言うと、「親和動機」があるといえます。
さらに他人から良いものをもらうと、自分もそれを返したいという「互恵性」の心理も働きます。
それ以外にも、色々な心理が働いていると思います。
このように、SNS映えの背景には様々な心理が働いています。
これが上手く正のループを築けていれば素晴らしいシステムかもしれませんが、
正直負のループを作ってしまうことは不可避です。
結局、疲れない程度に、ほどほどに楽しめていけたらいいですね、というありきたりな結論に落ち着きそうです。