人工知能(AI)とヒトのインターフェースとしての(アンドロイド)ロボット
こんにちはこんばんは、Mikenerianです。
ブログのデザインを大きく変更しました。
前から目次とか見出しが気に入らなかったのですが、これで当分変更することはないと思います。
次はCSSから手をつけようかな(沼の予感)
今回は、以下の2つを主な題材として、人間に似たロボットについて考えていきます。
原作の小説もおすすめです!
ネタバレあるかもなのでご注意ください。
2.
Kaerlein(2015)The Spcial Robot as Fetish? Conceptual Affordances and Risks of Neo-Animistic Theory. International Journal of Social Robotics. 7(3), 361-370. https://doi.org/10.1007/s12369-014-0275-6
がっつり論文です。はい。
本ブログでは2つの題材をもとに、
ロボットというカテゴリにおけるアンドロイドの位置づけを明確にし、
日本が持つロボット観の独自性を述べ、
未来のアンドロイドがどのようになるかについて考えたいと思います。
BEATLESS
今季(2018年1月)スタートのアニメです!
小説が完結しており、電子版もあります。
出典:「TVアニメ 『BEATLESS ビートレス』公式サイト」http://beatless-anime.jp
ストーリーは高校生の主人公がAIのヒロイン(レイシア)と出会うという、いわゆるボーイ・ミーツ・ガール系の王道です。
舞台は22世紀、ヒューマノイド・ロボットであるhIEが社会の労働生産を担い、人類と共存している。
みたいな世界観です。
論文
エルフォイドという、ATR石黒特別研究所が開発したロボットを題材として、西洋とは異なる日本のアニミズム文化について考察しています。
出典:「ELFOID」http://www.geminoid.jp/projects/CREST/elfoid-j.html
このエルフォイドはスマートフォンとして機能します。
中性的な形にすることで、相手の姿を連想でき、通常のスマートフォンより存在感を感じながら通話できるというデバイスです。
そもそも通話相手がいない私にはあまり縁のないデバイスですね!
それはそうと、この形、不気味じゃないですかね…
アニミズムとは、ざっくり訳すと「自然に対し生命を与えられた觀念を含む、その土地に済む人々の宗教的実践」となります。
西洋はデカルト哲学から続く心身分離・自然界の客観的理解(物体としての理解)を推し進めてきたため、アニミズムの伝統は占星術など一部を除いて廃れてしまいました。
それに対しこの論文では、日本が「神道」に代表される伝統文化を受け継ぎつつもこのような西洋科学の伝統を取り入れた、特異な文化を持つ国として紹介されています。
(こういう論文は、日本人=昔はみんな忍者 みたいな先入観で見ている気がしてあまり好きじゃないですが)
つまり西洋とは異なる価値観の中でロボットという新しいモノが形成されているため、そこには西洋とは異なる哲学があるということです。
この論文ではそれを、「神道テクノアニミズム」と表現しています。
この思想は西洋とは異なるロボット価値観を形成する可能性がある一方で、
フェティシズムに陥る危険性があるとこの論文では論じています。
(フェティシズムについても色々定義がありますがここでは割愛します)
ロボットというカテゴリにおけるアンドロイドの位置づけ
2.の論文でも言及しているように、確かに日本のロボットは西洋と異なります。
最初にアンドロイドを作ろうとしたのも日本です。
アメリカでのロボット開発は、あくまでツールの延長としてのロボットです。
一方日本でのロボット開発は、人間に近いものを作ろうとしてきました。
文化的にも異なります。
アメリカはターミネーターを生み出しましたが、
日本は攻殻機動隊を生み出しました。
もちろんその差異は明確に区別できるものではありませんが、歴史的背景は大きく異なるといっていいでしょう。
日本が持つロボット観の独自性
論文から、独自性を考察すると、
神道テクノアニミズム
すなわち、物質にも魂が宿るという価値観を前提とし、「物体」、「身体」と「心」を明確に区別しないという文化が息づいています。
そしてそれは
鉄腕アトムに始まり、
攻殻機動隊、そしてBEATLESSなどへと続くアニメ文化にも浸透しています。
もちろんそれと同時に
機動戦士ガンダム、コードギアスといった、「人間が乗る道具としてのロボット」
も存在しています。
しかし、ロボットに心があるような表現が随所に見られるため、明確にロボット=物体として扱っていないのではないでしょうか。
未来のアンドロイド
未来について考えるとき、人工知能(AI)は避けて通れません。
もしロボットが今以上に人間の発話や動作を理解し、人間と同じように動くようにするには、人工知能のアルゴリズムを用いて操作しなければなりません。
BEATLESSの場合、大半のアンドロイドはクラウド制御されているという設定になっています。
つまり、ヒトが接触しているのはロボットでも、その背後にはAIが隠れています。
当然AIの動作原理は人間のそれとは異なるので、ロボットは両者の仲立ちをする存在のようなもの、すなわちインターフェースとなるわけです。
(ロボットが間に無い場合、いわゆるIoTでしょうか…)
ですが、単に人工知能とのインターフェースであれば、ツールであるわけです。
もし「神道テクノアニミズム」が浸透しているのなら、人工知能にも「魂」を見出しているはずです。
しかも、人間とロボット、人工知能の境界はさらに曖昧になっていきます。
それは魔法の世紀?
それとも身体拡張の世紀?
どちらにしろ、ヒューマノイドはインターフェースとして、つまり今のスマホの画面みたいなものとして機能して、身近にいるといいですね。