立ち現れてくる存在
こんにちは、Mikenerianです。
最近思想系が多いですが、今回も思想系です。
思い悩むことが多いのかもしれませんね。
今回の内容はタイトルから想像し辛いですが、以前書いた記事と若干繋がっています。
あれからさらに別の書籍と出会い、更なる結論が導かれました。(と言ってみたいだけ)
「思い込んだ瞬間に、それは現実となる」
当たり前のことですが、意外と勘違いしてしまうことが多い。
ということを綴っていきます。
シュレーディンガーの猫とかその辺
今回の記事の趣旨は、「思い込んだ瞬間に、それは現実となる」でした。
思考の世界における事象ですが、まずは現実世界における事象として、シュレーディンガーの猫を切り口にしたいと思います。
これは簡単な思考実験ですが、素粒子などミクロの世界の本質を言い当てています。
私もしっかり理解していないですが、素粒子は波としても素粒子としてもふるまうため、2つの状態を同時に保有していることがあるらしいです。
そして観測された瞬間にのみ、どちらの状態なのかが特定されます。
言い換えれば、「観測して初めて状態がわかる」のです。
でもそれっておかしい。
だって、観測して初めて状態がわかるのなら、生きている状態と死んでいる状態が両立していることになる。
だから素粒子が放出されたら毒ガスが作動する箱にいる猫は、観測されるまで生きてもいるし死んでもいる。
どうでもいいですけど、架空の存在なのにこんなに認知度が高くなる猫ってすごいですよね。
シュレーディンガーの猫の解説になりましたが、ここでの趣旨は、
- 同時に複数の状態を保有しうること
- そして、観測された瞬間にそれは1つに定まる
ということです。
あなたの性格は○○です!
シュレーディンガーの猫は物理的世界の話でしたが、心の世界に戻ります。
ここでの足がかりは、「性格診断」です。
夢占い星占い動物占い…これらは占いですが、色んな診断があります。
全く興味がなくても、自分に合っていると思いませんか?
そして自分に的確なアドバイスだとばかりに、性格診断を無意識のうちに信じていないでしょうか。
よく考えればそれは当然のことです。
なぜなら性格診断は、「どんな人にでも当てはまりそうな事柄」ばかりが並んでいるからです。
例えば、
あなたは誰よりも頑張りやさん。だけど時々優柔不断になることも。
みたいな言葉なら、「優柔不断」という免罪符があることで、それほど頑張っていなくてもなんとなく当てはまるという人がたくさんいそうです。
このように多くの性格診断は、自分の性格そのものではなく、
自分の性格の一側面を言い当ててているだけなのです。
それは後付けのラベリングそのものです。
このような性格診断の典型として、自己分析があります。
これも究極的にはラベリングであり、本当は何者にでもなれる自分自身を、今までの経験や気質から一つに定めてしまう行為です。
念のため補足しておくと、
このように自己分析にはラベリングを強めてしまうという欠点はありますが、
今までの経験を思い出し、可視化できる点や、
自分自身の進路を明確化できるというメリットもあるため、一概に悪いとは言えないでしょう。
ラベリング・理論?
物事を「○○だ」と決めつける行為は、心理学的には「ラベリング理論」として知られています。
自分自身に対してのラベリングなら影響は少ないですが、他者に対してのラベリングは、特に人を導く役職ほど危険です。
とある有名な実験では、先生が生徒の成績を低いとラベリングすると本当に成績が低くなり、成績を高いと評価すると本当に成績が高くなるそうです。
これは以前の記事で書いたように、偽物が本物にすり替わるプロセスと本質的には同じではないでしょうか。
そしてラベリングは社会のいたるところで存在しています。
ぱっと想像することは難しいかもしれませんが、
性別や障害も、ラベリングといえるのではないでしょうか。
だからといってラベリングをなくそう!とむやみやたらに主張することは、
クィア理論へとつながりそれはそれで人類補完計画であり先に進みません。
結論として、ラベリングを通して我々は世界を認識しています。
つまり世界は、ラベリングすることによって立ち現れてくるのです。
そして、無意識のうちに刷り込まれたラベリングに対して意識的であること、
新しく行うラベリングに対して懐疑の目を向け続けること、
が要求されているのではないかと思っています。
それを乗り越えるアプローチについてはまた次回。
おまけ―人工知能とラベリング理論―
人間は、ラベリングを通して立ち現れてくる世界を認識しています。
このような人間独自の世界認識のあり方は、人工知能には実現できないものです。
なぜか。
このブログの言葉でいえば、我々はラベリングを通して世界を理解し、
またラベリングという枠組みの整合性を常に確かめるという、
フィードバックループを設定しています。
専門的にいえばトップダウンとボトムアップの情報処理が存在しています。
このような情報次元に人工知能が干渉することはあっても、我々の知性が実現しているようなフィードバックループは存在しないのです。(存在したとしても証明できない)
という趣旨の詳細は以下の書籍で論じられています。(解釈が間違っているところも多分にあると思います。)
しばらく思想系が続きそうです。。