Ambivalent Wanderer

脳科学(認知科学)、ロボット、現代美術。興味があること、考えたことについて細々と書いています。

スイミングでもマインドフルネスになるために

こんにちは、Mikenerianです。




今回は、前々から紹介したかった「マインドフルネス」についてです。


マインドフルネスとは、「今、ここに注意を向けること」と定義されますが、
要するにヨガみたいな瞑想による特殊な注意の向け方によって得られる、心の状態みたいなものです。


マインドフルネスそのものについて詳しくは、以下のリンクから。

①「ヒューマンウェルネス インスティチュート」
マインドフルネスとは │ ヒューマンウェルネス インスティテュート


②「日本マインドフルネス学会」
mindfulness.jp.net




本記事ではそもそもマインドフルネスのメリットについて解説し、プールなどでも実践できる夏に大活躍なスイミング瞑想について紹介したいと思います。
その他の瞑想についてはゴマンと記事があるため、この場では紹介しません。(もし興味がありましたらググってみてください☆)


ちなみに私は習慣的に泳いでいるため、中級者〜上級者向けになっています。(最近月1くらいしか行けていない)


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マインドフルネスのメリット


そもそも、マインドフルネスとは何でしょうか。超簡単に説明します。


「マインドフルネス」という言葉はアメリカで生まれましたが、そのルーツは仏教にあります。
元々仏教では、俗世を離れ、苦しい修行を耐え抜くことで苦しみから開放されると考えられていました。
しかし、俗世を離れなくても、誰でも、悟りに至ることで苦しみから開放される。
そのための方法が、瞑想でした。

では瞑想を行う人の脳内では何が起こっているのか。どう習慣が変化するのか。
そのようなことに疑問を持ったアメリカの研究者が、瞑想から宗教性を除外し、研究対象とすることで生まれたのが「マインドフルネス」です。

つまり、超簡単に言えば「科学的に解明されつつある瞑想」です。


実際にマインドフルネスはうつ病を治療するためのプログラム(MBCTなど)にもなっており、「認知行動療法」の中核を担う概念です。

瞑想によって得られるメリットとしては、
①ストレスに強くなる
②今現在の感情に左右されにくくなる
③視野を広く物事を捉えることができる
などがあります。

このうち③のメリットは「インスピレーション」にも関係しており、かの有名なスティーブ・ジョブズは瞑想を実践していたことが数々の発明に帰依しているともいわれています。
あのG◯◯gleも社内研修の一環で取り入れており、社内研修で取り入れている企業も年々増えています。




それでも、胡散臭く感じてしまう。




その気持ちはよくわかります。
それは当然です。
だって、日本に逆輸入されたときに再び宗教と結びついたり色々でメソッドが乱立していますもの。

しかし、ちゃんとした治療として実践されている方々がいらっしゃるのも事実。
元々、習慣的に実践することが重要なので1日や数日ではあまり効果は出ません。

また、マインドフルネスによって今までとは常に生まれ変わったように感じるというものでもありません。


マインドフルネスは「今、ここに注意を向ける」ための訓練です。


それは、日常生活では意識しないと難しいことです。
朝は慌ただしく準備をし、常にスマホを側に持ち、やらなければならない仕事や勉強や研究に忙殺される。
そんな日常で、いつ今を感じるでしょうか。
意図的に今を感じる瞬間を持つことで、意外と心が落ち着いたり視野が広くなったりする。
そんな効果を狙っているものだと自分は理解しています。

専門的には、「することモード」と「あることモード」と言って区別しています。
いつもの日常が「することモード」の状態で、瞑想中が「あることモード」の状態です。
「することモード」だけだと慌ただしく過ぎてしまう日常で、「あることモード」の状態を意図的に作ることでバランスを整えているのです。

さらに、「することモード」と「あることモード」を行き来することができるようになれば、マインドコントロールが必然的に上手くなります。
そのようなメリットを育むためにも、習慣的に、継続的に瞑想時間を確保することが求められるのです。


そこで、瞑想を日常的に取り入れるためのメソッドが色々生まれています。

「歩くマインドフルネス」や「食べるマインドフルネス」などです。


そんな中、ふと水泳中に思い立ったのが今回紹介する「スイミング瞑想」です。


※この記事では、「瞑想」と「マインドフルネス」を意図的に混同して使っています。それは、一般的な用語に合わせるためです。
しかし厳密には、この2つは全く異なる概念です。
「マインドフルネス」は英語に訳すとmindfulnessです。これは心の「状態(state)」を表す言葉で、常に変化するものです。(例 眠い状態から覚醒状態など)
「瞑想」は英語に訳すとmeditationとなります。これは、マインドフルネスな「状態」になるための「方法」を表す言葉です。実践という言い方をよくするのもそのためです。



スイミング瞑想のやり方

ある程度泳げる方なら誰でも可能です。
実際私は、水泳中に今までとは全く異なる状態を獲得することができました。


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そもそも普段泳いでいるとき、みなさんは何を考えていますか。
僕はよくアニソンが流れています。
後はご飯何食べようか考えたり、隣の人早いな〜とか考えてます。
思い立ったとき、少しだけフォームについて考えることもありますかね。。


という調子なので、改めて見直したとき、1つの部分に集中することがあまりないと気づきました。


というわけで、今回紹介する方法は1つの部分に集中し続けることがポイントです。
しかしマインドフルネスのポイントとして、そこで「フォームを修正しよう」とか考えてはいけません。
ただそこで感じる水の流れなどの感覚に意識します。
また、他のことを考えても構いません(というかどうしても考えてしまいます)。そんなときは優しく、注意を1点に戻します。


①クロール、背泳ぎの場合
右手、または左手のどちらかに意識を集中します。
あらかじめ決めておいた距離を泳ぎ終わるまでは、できるだけその注意を持続させます。
25mおきなど、定期的に注意を向ける腕を交換するとより継続的に実践できます。


②バタフライ、平泳ぎの場合
両手の動きに意識を集中します。
①同様、あらかじめ決めておいた距離を泳ぎ終わるまで、できるだけその注意を持続させます。
腕全体、手のひらだけなど、注意を向ける範囲を変えてみるのもありです。




今まで水泳中は、ぼんやりしているかフォームについて考えているかのどちらかだったので、ただそこにある感覚を感じるという手法は斬新に感じました。

ぜひ実践してみてください。

それではまた次回。